【レポート】9月の番町寄席

2015年9月12日

9月11日(金)。
関東地方に猛威を振るった台風とその後の大雨が嘘のような良い天気に恵まれました。開催を心配していた番町寄席も予定通りに行われ、大勢の落語ファンで賑いました。

 今月の出演者は、今年4月、二つ目に昇進されたばかりの初々しい瀧川鯉丸さんと春風亭昇也さんの代演として急遽出演が決まった笑福亭羽光さん、そして、柳亭市弥さんの3人。ご案内役はお馴染み青空遊歩さんでおおくりしました。

2015091104 さて、最初の高座は2回目のご出演となる瀧川鯉丸(たきがわ こいまる)さん。
演目は「寄合酒」。このお噺、代々の桂春団治の得意ネタだそうですが、鯉丸さんの「寄合酒」は如何でしたか?

<寄合酒>

 町内の若い衆が集まり暑気払いに酒宴を開こうと思いつくが、誰一人として酒代すら持ち合わせが無い、そこで酒やら肴やらを持ち寄ることになるが、これは落語。上手くいく筈が無い!曰くつきの味噌を持ってくる男、せっかくの数の子を煮てダメにする男、出汁を取れば、汁の方を捨ててしまう男など、肴は散々な状況。そして、酒は・・・と言うと一生酒は飲まないという男に任せたところ既に出来上がった様子で「一升飲まないから二升飲んだっ!」・・・

人が良さそうな鯉丸さんには、こういった何とも呑気なお噺がピタッと嵌っていませんか?

2015091103 つづいては、笑福亭羽光(しょうふくてい うこう)さんの登場で、演目は「荒大名の茶の湯」。
 先ずは子ども相手に落語をした話から始まり、落語講座となりました。落語講座と言っても難しい内容ではなく、落語を聞くときの注意点のようなものを面白可笑しく解説していただきました。軽妙な関西弁で会場は笑の渦となりました。

<荒大名の茶の湯>
 豊臣秀吉が亡くなった後のこと。幼い秀頼を守り立てていた「豊臣七人衆」と呼ばれた七人の荒大名が繰り広げる茶席でのお噺です。
~七人の荒大名~
加藤肥後守清正(かとう ひごのかみ きよまさ)
福島左衛門大夫正則(ふくしま さえもんだゆう まさのり)
池田三左衛門尉輝政(いけだ さんざえもんのじょう てるまさ)
浅野左京大夫幸長(あさの さきょうだゆう よしなが)
黒田甲斐守長政(くろだ かいのかみ ながまさ)
加藤左馬助嘉明(かとう さまのすけ よしあきら)
細川越中守忠興(ほそかわ えっちゅうのかみ ただおき)

 荒大名と言われる位ですから戦ばかりで茶席のしきたりなどは全く分からず、
ただ一人、千利休の直弟子である細川忠興を頼りとして何事も真似ることにします。しかし、茶席とは関係無いこと迄、真似てしまうのでとんでもない事になります。羽光さんの大きな身体から繰り出す軽妙な語り口と動作が可笑しいお噺でした。

最後はかっぽれを踊って下さいました。サービス満点の羽光さんでした。

2015091102そして9月番町寄席のトリ、ビジュアル系落語家(!?)柳亭一弥(りゅうてい いちや)さんの登場です。多くのファンが会場に駆けつけており、高座の前後はとても気軽にロビーを行き来し来場者に挨拶されていました。

さて、肝心の演目は「明烏」。
柳亭一弥さんは写真の通りの童顔の持ち主ですが、なかなか落ち着いた語り口で始まります。登場人物も老若男女そして、大店の旦那・遊び人・初心な若旦那・吉原の女主人に若い花魁と個性があるので難しいお噺のようですが、その役に合せた表情や声の使い分けも魅力的なお噺でした。

<明烏>あまりに堅物で初心な若旦那を心配した父親が「遊びも知らぬ世間知らずでは困る」と、町内でも「札付きの遊び人」の2人に頼み吉原へ連れて行ってもらいます。散々抵抗するも結局は絶世の美女の花魁と一夜をともにする若旦那。初心な若旦那を散々馬鹿にしていた遊び人の2人は、相方の女に振られて詰まらぬ朝を迎えますが、様子を見に行った花魁の部屋にはモテモテで満更でも無い顔の若旦那が…。

この若旦那は、初心というだけではなく相当な美形という設定になっています。
「はいそうでしょうとも…」と思わず頷いてしまうオチでした。

2015091105

次回の番町寄席は、11月13日(金)開催です。ご来場をお待ちしております。