タクティール
タクティールとは
タクティール

スウェーデンが発祥地のタクティールとは、ラテン語の「タクティリス(Taktilis)」に由来する言葉で、「触れる」という意味があります。その意味が示すように、手のひらで相手の手足や背中を優しく包み込むように撫でるタッチケアです。

痛みや不安感を和らげる補完療法で治療ではないため誰でも受けられます。また、施術者・利用者双方に癒しが感じられます。

 

タクティールケアの取り組み
タクティール

−取り組みのねらい

◆利用者一人ひとりに寄りそうケア
    〜利用者が安心して生活できるように支援

◆重度化した利用者の身体状況の緩和
    〜看取りの方や身体に拘縮のある方への痛みや不安感などを軽減

◆職員のモチベーションアップ
     〜利用者の安心した表情を見ることで、職員のやりがいにつながる

 

きっかけと経過

今まで、利用者の方々に食事・排泄・入浴などの身体的なケアの他に、書道や音楽などのクラブ活動、地域の子どもたちとの交流の参加など楽しみのある日常生活の援助を行ってきました。しかし、私たち介護士は、日々のケア業務に追われて余裕がありませんでした。

クラブ活動がない日や、不安感や興奮状態になった利用者に対して、「どのように個別の援助ができるのだろうか?」「どのように接したら良いのか?」と悩んでいた頃にタクティールケアと出会いました。

はじめは、タクティールケアにどのような効果があるのか?、利用者にとって本当に良い者なのか?と半信半疑の思いもありました。しかし、実際に講座に参加し、私たち自身がリラックスして安心感を体験できたことで、利用者にとっても良いものではないかと考え、体験して貰いたいと思うようになりました。

 

タクティール

まずはじめに、ケアを実施する対象の利用者を決め、継続して状態を観察、実施した前後の心身面の様子を記録し、職員誰でも閲覧でき情報の共有ができるようにしました。そして、随時ご家族へ実施した時の様子をお伝えすることで、ご家族との関係性を深める一つの手段にもなっていきました。

 

タクティールの講習を受講していない職員からも「タクティールケアってどんなものなのか?」「Aさん、タクティールケアを受けた後は、よく眠っていた」「Bさんが気持ちいいマッサージをしてもらったと話していたよ」などの発言もみられ、今まで以上に感心をもち、職員間の情報交換も増えてきました。また、実際に体験した職員からは「リラックスできた。心が落ち着いた」などの乾燥を聞くことができました。

職員アンケート

私たちの取り組みを職員以外の外部の方にも知って欲しいと思うようになり、平成22年12月には、地域のケアマネジャーや特養・デイサービス利用者の家族に向けて発表会を行いました。

さらに、平成23年9月28日に行われた「アクティブ福祉IN東京」にて「タクティールケアによる心身への効果」を発表しました。外部への発表会をすることにより、タクティールケアはもちろんのこと、他のケアに対する意識も高まり、職員間のモチベーションも上がり、それと同時にケアに対する責任感も感じるようになりました。

「アクティブ福祉 in 東京’11 東京都福祉保健局長賞」受賞いたしました。

 

具体的方法と効果

−具体的方法

タクティール

 

1)一か所15分〜20分程度

2)両手、両足、背中のいずれか、または組み合わせで

3)手足には専用のオイルをつけ、背中は衣服の上から

4)昼食後、または就寝時間に

5)静かなBGMをかけ、リラックスできる環境づくり

6)実施前後の心身面での変化を記録

7)ご家族へ実施状況を伝える

 

ケース1〜認知症でけいれん発作のみられる方へ

95歳女性 要介護度5

現病:脳血管性認知症、脳梗塞後遺症

<入所後の様子>

週3,4回痙攣発作、全身の筋緊張・拘縮が目立つ、嚥下障害があり、ゼリー食を提供、微熱が出やすく、体調不良時はでん部に床ずれができやすい。

<手 法>

・衣服の上から背中を中心に。両手は拘縮が強いため実施せず

・寝たきりのため、ベッドで横向きにして行う。

<効 果>

不規則だった呼吸が一定に

上下肢のこわばりが緩み、終了時は背中伝いに楽に呼吸しているのを感じる

入眠前に行う事で寝つきが良くなり、眠りの質が上がったように見える

頻繁にあった軽いけいれん(びくつき)が減った

ケース2〜パーキンソン病の方へ

73歳女性 要介護度4

現病:パーキンソン病、両変形性股関節症

<入所後の様子>

車いすにて自力移動できたが、全身の拘縮が進行。現在はリクライニング型椅子を使用。食事以外は寝たまま発熱を頻繁に繰り返している。

<手 法>

・身体の痛みを訴えるため、ベッドでの楽な姿勢で実施

・横向きになるのが難しいため背中は行わず、手足中心で

<効 果>

「心が安らいだ」「気持ちよく身体が軽くなった」

身体のこわばりが緩み、両手の震えが減った

夜間よく眠れるように感じられた

ケース3〜看取り介護の方へ

タクティール

99歳女性 要介護度5

現病:認知症

 

 

<入所後の様子>

徐々に自分で食事が摂れなくなり、生活全般の介助が必要となる。左足踵の床ずれが悪化、両手足のむくみ、浸出液もあり平成23年4月より看取り介護開始、寝たきりとなる。

<手 法>

・ベット上で横を向くことが困難なため、手、右足を実施

・呼吸や全身の状態を常に観察

<効 果>

右足末端の冷感が改善し、次第に温まった

手の施術時、徐々に力が抜けていく様子あり

呼吸が安定したように感じられた

ご家族の頻繁な面会により、手厚い介護が実現
   →ご逝去前日まで施術ができたことも職員の喜び

 


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